ミミック

飼育のミミックのレビュー・感想・評価

飼育(1961年製作の映画)
3.9
時代は前後するが、香川照之の『鬼が来た!』の日本版みたい。
ひとりの黒人の存在によって、村全体の空気が澱んでいく様を丁寧にあぶり出す演出力に感服する。
これも戦争の側面のひとつの描き方だと思う。
見たこともなく、よく知りもしない存在に対する日本人の振る舞いは、今も昔もそう変わらないのが鬱屈した気分にさせられる。
フラットな目線である子供達がこっくりさんをするシーンを挟むことで、"同調圧力"というテーマがよりくっきり浮かび上がる。
状況がシリアスになるほど、三國連太郎が大五郎カットなのがますます気になって困る。
炎上した対象をこれでもかと叩く現在のネット空間と近いものを感じた。
久々に日本映画で始めから終わりまで嫌~な気持ちに包まれる作品に出会って、しばらく尾を引きそう。
ミミック

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