ウルフガー

ムカデ人間2のウルフガーのレビュー・感想・評価

ムカデ人間2(2011年製作の映画)
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アマゾンプライムにて視聴。また凄いなこれ。モノクロの時点でちょっと戸惑い、1が映画でそれを観てた人が主人公ということでそんな続編がありうるのかと度肝を抜かれた。1より格段にスプラッタ度が増している。役者さんは大変だなと思いながらずっと観ていた。

1が映画でそれを観ているということはある意味現実世界に近づいたわけで、ちゃんと前作とトーンを全く変えてリアリティレベルが違っていることに感心。思ったより上手くなってる。ただ前作以上に「ムカデ人間を作る」ということ以外の展開がなく観るのが苦行ではある。

1で博士と監督の同一性が気になったがこの主人公も監督の分身だとしたらヤバいなという恐怖感はある。現実世界に対する怨嗟の念が凄い。いつか映画でなく本当にムカデ人間を作ってしまうのではないかという恐れまで感じた。そういう意味では「凄い映画」ということは認めざるを得ない。

前作よりつなげる人数が増え、一人一人の個性が薄くてより「ただのパーツ」に近くなっている。そういう人格とか人間性とかないがしろにしている感じを絵で見せているのは他の映画にはない感覚だった。監督が独特の感性を持っていることは間違いない。

しかしこんな映画にもボカシは入るんだね。そんな問題ではないだろうと思うんだけど。

ムカデ人間1・2と観たけどやっぱりこの監督さんがかなり真面目に撮っているということが普通じゃないところだと思う。B級ホラー撮って一発当ててやろうとかこういうの好きな人に受けようとか(それでも全然いいんだけど)じゃなくてこの話を思いついて純粋な創作衝動に突き動かされて撮ってる感じ。
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