無知A

グーニーズの無知Aのレビュー・感想・評価

グーニーズ(1985年製作の映画)
3.4
今回は、1986年に公開された『スタンド・バイ・ミー』と1985年に公開された『グーニーズ』の比較と『グーニーズ』の特色について考える。

まず、『グーニーズ』とその一年後に公開された『スタンド・バイ・ミー』との共通要素として、子どもたちの冒険がまずは挙げられる。しかし、内容は大きく異なる。『スタンド・バイ・ミー』では、語り手が大人になった主人公という設定で物語が進み、死体を探すという冒険の終わりを区切りに、後日談を加え、顛末を述べることによって、現実味を醸し出している。この現実味とは、少年時代に体験した冒険、仲間過ごした時間の貴重さでもあり、二度と戻ることのない過去に感じる哀愁である。一方、『グーニーズ』では、ロマン思想とまでは言わないが、ロマンが点在している。具体的には、宝が存在し、悪者との戦いがあり、冒険によって何かを得て、何かを解決し、喜劇として幕を閉じるといった現代の昔話にも見ることの出来る型にはまっている。結論として、『スタンド・バイ・ミー』と『グーニーズ』の内容は大きくかけ離れているといえる。

では、『グーニーズ』は一体何を表現しているのか。これは、他の方も仰っているように世の中に溢れている可能性や思い描く事の大切さといったポジティブなものであると考えられる。何故なら、前述のような、後日談のある『スタンド・バイ・ミー』とは違い、『グーニーズ』では冒険の結末と共に物語が終わっているからである。したがって、冒険そのものが内容である為、この中で示したものこそが作品の主張といえる。この主張だが、私もまた前述のような世の中に溢れる可能性や思い描く事の大切さというものと考えている。根拠としては薄いかもしれないが、最後に出てくる船の存在を含む数々のロマンが挙げられる。総じて、ロマンこそが『グーニーズ』の特色といえる。
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