柏エシディシ

食人族の柏エシディシのレビュー・感想・評価

食人族(1981年製作の映画)
3.0
新宿武蔵野館さんの「食人フェスティバル2015」にて、鑑賞。
高橋ヨシキさん、平山夢明先生のトークショー込み、で堪能しました。
最高の企画でした!ありがとうございました!

肝心の作品ですが、所謂「ゲテモノ映画」の域を越えた、意欲作、傑作であったのだと、改めて確認。

ドラマ仕立ての第一幕と、POV形式の走りとも言えるドキュメンタリー仕立ての第2幕という構成で、
作品テーマ的にも、ちょっと緩慢に感じる第一幕も、第二幕の展開を強調する為にあるんだと、作り手の野心に、唸らされました。

モンロー博士によるエンドロールの「果たして本当に野蛮なのはどちらなのだろうか?」という言葉が、テーマを総括してくれますが、長い時を経た、今時分にも有効なメッセージを投げ掛けていると思います。

もちろん、そんな小難しい事考えなくとも、あの時代だからこそ出来たショッキングな映像フッテージを、野次馬根性的に楽しむのも、大事かな、と。
それも、映画というメディアが持つ、魅力の一つだと思うので。
もちろん、眉をひそめる人の気持ちもわからんでもないのですが、
フィクションでも「こんな世界もある」という事を知るという事は、生きる上で、必要なモノじゃないですかね。
柏エシディシ

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