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食人族のKAZUのレビュー・感想・評価

食人族(1981年製作の映画)
4.0
元祖モキュメンタリー映画の名作。

キワモノの様な扱いの本作初鑑賞でしたが、コレは凄い。映画史に残る名作じゃないか。既出レビューの『世界残酷物語』同様、文明人と非文明の対比をこれでもかと耐性ギリギリのショック映像で描いてる。吐き気や不快感に耐えながら、この感情の揺さぶりを引き起こす、作品の持つパワーは他に見た事が無い。これを観たら「グリーン・インフェルノ」はディズニー映画だ。

白人グループが未開の地である「グリーンインフェルノ」をドキュメンタリー映像の撮影の為訪れるが、この白人共が先ずは鬼畜というか、下衆の極み。ショッキング映像を作るために、強姦、原住民への虐殺を嬉々として蛮行に及ぶ姿はどちらが野蛮、非文明かを表している。

観る側の倫理観や耐性、忍耐、不快感を試すかのような、動物の殺傷シーン。これが生きた動物を解体しているのだが、一生離れられない強烈な映像ばかり。どれだけ感動するシーン、風景も風化しいずれ記憶の片隅に追いやられるが、この映画と映像は生涯風化せず、記憶に残り続けるだろう。言葉は包んでいるが、様するにトラウマってことだ。
公開当時はそのリアルな描写に本物かの論争が巻き起こったようですが、フェイクもリアルも関係無く、脳天に突き刺さる衝撃映画でした。
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