セガール幹事長代理

12人の優しい日本人のセガール幹事長代理のレビュー・感想・評価

12人の優しい日本人(1991年製作の映画)
5.0
裁判員制度が存在する仮想の日本で、夫を死に追いやった女は有罪か無罪か、という話をみんなでする話。

会議とか打ち合わせとか好きな人種にはぶっ刺さる傑作。
「優しい」日本人、というより「優柔不断な」といったほうが正しいんだけど、別にそれを批判するわけでもなく、まあそれでもいいんじゃん、自分の理念に100パーの自信持ってるやつなんておらんよ的なスタンスで話が進むので、説教臭さが無くむしろ心地よさに包まれます。

「彼女はシンママでいつも苦労してるから無罪!」っていう水谷豊がブチギレそうな雑推理にもほっこりするし、観終わった後友達が12人増えた感じになれます。貴方はもう独りぼっちではありません。
VRより没入感あるので、自分も話し合いに参加している妄想に浸れることでしょう。

あと数年前、東京地裁近辺を散歩してると「裁判員制度反対」を謳うデモ隊とちょくちょく遭遇するので、気になりすぎて彼らの打ち合わせに、どっちでもいい派の自分が参加したことがあるんだけど、ひとしきり終わった後の飲み会で「今年の有馬で人生変えたい」「最近の海物語はシブい」って話題が裁判の話より盛り上がってたので、オンオフ切り替えのエグさを見習いたいなと思いました。

ヤクルトが好きな人におすすめ。