ククレ

12人の優しい日本人のククレのネタバレレビュー・内容・結末

12人の優しい日本人(1991年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

裁判員制度が始まる前の有名な作品。「十二人の怒れる男」はもちろん観てるし、あの名作をパロディにした面白い雰囲気なんやけど…。
実は私は、三谷幸喜さんのコメディは今まであんまりハマらなくて、今作を敬遠してました。「古畑任三郎」とか「鎌倉殿の13人」とかのドラマは好きなんやけどなぁ…。

やっぱりあんまりハマらなかったわ。笑えないし同じことの繰り返しに見えて、どうでもよくなってきたんやわ。

以下はネタバレ…






結構、オリジナルに忠実に作られてる。審議してる部屋の雰囲気とかも似てる。トヨエツとか梶原善とかが若くて、その辺りはとても楽しかった。

タバコをふかしながら話し合ってるのが当たり前の時代やねん。今となってはあり得ないかもしれへんけど、昔は会議室内が煙だらけでも疑問にも思わへんかったよなぁ、とか考えてた。

それにしても、11人が無罪を推して、「優しい日本人」というのがおかしいわな。オリジナルでは11人が有罪を推すんやけど、それは優しくないからではない。むしろ、それぞれが頑固で、喧々諤々の議論を展開する緊張感が素晴らしかった。

でも、今作は「かわいそう」「自分が裁きたくない」「みんなが無罪にするなら」という、正に日本人のステレオタイプみたいな「優柔不断で付和雷同」な十二人。
クセの強いメンバー達は、キャラは立ってるんやけど、言ってることは二転三転。鼻血出したりスネたり激昂したり帰ろうとしたり…挙句の果てに「被害者は自殺」って言い出したり、ピザとったり…。はじめは論理的な展開やったのに、どんどんわけがわからなくなってくる〜!

後半は飽きてきて「あー…もう有罪でも無罪でもどっちでもエエわ…」って思ってた。あの場にいたら、たぶんオレもキレてる。コメディやから別に理路整然としてなくてもええんやけど、とっ散らかり過ぎとちゃうか?イライラした。

そして結局、ずっと「有罪」って言うてた奴が折れて、無罪で一致する。なんやそれ?被告を「自身の別居中の妻」に重ねてしまってたというオチ。うーん…。もっとビックリするダイナミックなオチを期待してたのに〜。矮小な日本人…。

たぶん、演劇で観るべき作品なんやろうな、と思ったわ。でも、今となっては裁判員裁判は定着してしまってるから、リメイクしてもオモロないやろうなぁ。
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