優

子猫をお願いの優のネタバレレビュー・内容・結末

子猫をお願い(2001年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

商業高校で仲が良かった女子5人の卒業後の関わりを綴った映画。すごく良かった!! 例えばテヒは父親の店を手伝っているが、客受けのために民族衣装を着ろと言われたり(「わたしは着たくない服は着ない」と言い返してはいた)、「母親になるのにタバコなんて吸うな」と言われたり。テジュの勤める会社では、「新入社員が入ると華やかになるな」という発言がたったり。現実を掬い取りつつ、それに対する「怒り」のようなものも込められている気がする。
映像として、画面を4分割して電話するシーンが面白かった。漫画かアニメのよう。メールやタイピングした文面が建物に映し出されるのも面白い。
ヘリウムガスを吸って話す場面や、誕生日を祝うシーン、宅のみのシーンなどは、とても楽しそうだった。
たぶんこの映画は、ジヨンの物語であると思う。成績も良かったのに、両親共に他界しており身元保証人がいないため、(女性が就く職業としか見られていない)経理の仕事も断られてしまう。祖父母が亡くなったあとの警察の対応とか、酷すぎる。そして、「出ても行くところがない」という言葉が胸に迫る。
テヒは、「私はオノで人を殺してもあなたの見方よ。何か理由があるんだよね。信じている」という。無休で父親から店番をさせられており、その給料分を計算して父のお店から取ってくる(強たかで好き)。そして、「一人で行くよりあなたと一緒の方が楽しいと思って」という殺し文句! 非常にシスターフッドを感じる作品でした。
オープニングとエンドロールのテキスタイルも、ジヨンの作品として使っているかのようで、とても良いです。
テヒ(ペ・ドゥナ)と、証券会社に勤めているヘジュ(イ・ヨウォン)がとても綺麗。テヒ役の人能年玲奈さんに似ている気がした。
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