黒縁メガネのサラリーマンスパイが実に魅力的で、それを演じるマイケル・ケインもはまり役で、彼を見ているだけでも楽しい作品。
随所に顔を出すビターな笑いもブリテン的で、今見てもおしゃれだ。
おしいのが、一作目ほど「サラリーマン」を強調していないことか。もう少しいい加減さなどを出してもたった方が魅力倍増だろう。
それにしても、マイケルは名優と言われるだけのことはあり、彼のための作品だということもよくわかる。
ストーリーを詰め込みすぎなのと、多くの名前が矢継ぎ早に出てくるので、ちょっとついていくのに苦労する。もっと胆略化しても良かったのではないだろうか。
後、ストック大佐のキャラも素晴らしい。騙したパーマーを平気で食事に誘うところなど、その太々しさがいい味を出している。
年をとってもその年齢に合った魅力を魅せ続けてくれるマイケルの、30代の元気いっぱいの姿を楽しむ作品だろう。
余談。
イギリスには良い役者さんが沢山いるのだが、その中でもマイケル・ケインは別格のスターと言っていいだろう。
私も大好きな役者の一人だ。
もちろん演技や役者のオーラなど素晴らしいのだが、彼の生き方も魅力的。これだけ有名でも出演作を選ばないってのはすごい。
なんでこんな作品に出ているの?と不思議に思うことも多々あるが、それがこの人の役者としての生き方であり、魅力でもあるのだろう。