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タクシードライバーのsensatismのレビュー・感想・評価

タクシードライバー(1976年製作の映画)
3.8
2021/5
気怠い休日に低音量の映像を延々と流しながら横目で観るのにふさわしい映画だった
音声20くらいで丸一日ずっと流していたいな、できればプロジェクターで写せれば尚良い
1970年代のNYの街並みは今では想像つかないくらいに汚くて混沌としていて、その夜を走り抜けるタクシー+窓越しの映像は、バーナード・ハーマンによるジャズチックなサックスの調と相まってかなり心地よかった

信頼できない語り手、トラヴィス・ビックル
世はベトナム戦争直後、ヒッピー文化を背景にたずさえたアメリカ、経済停滞・人種間対立・犯罪が横行しているNYが舞台
アメリカン・ニューシネマ最後の作品
ベトナム戦争帰りの元海兵隊という自称が本当に正しいのならばトラヴィスはPTSD等を発症している精神を病んだ人間で突発的、だけど愚鈍なほどまっすぐ
私はこのお話の最後はトラヴィスの妄想だと判断したけど、彼が救われているのならそれで良い これからも制裁相手を見つけるために夜な夜なタクシーを繰り出してほしい

・夜の街は
 娼婦 ゴロツキ ゲイ 麻薬売人で
 あふれている
 吐き気がする
 奴らを根こそぎ洗い流す雨は
 いつ降るんだ?

自分も洗い流される側

・右手の小指だけ爪を伸ばし
 真っ赤なマニキュアを塗っている 
 ぎょっとした

・今思い出したわ 歌よ
 クリス・クリストファーソンの
 歌にあるの
 "預言者で麻薬の売人"
 "事実と作り話が半々の歩く矛盾…"

Wikipedia

In Scorsese on Scorsese, Scorsese says Taxi Driver arose from his feeling that movies are like dreams or drug-induced reveries.

The end sequence plays like music, not drama: It completes the story on an emotional, not a literal, level. We end not on carnage but on redemption, which is the goal of so many of Scorsese's characters.
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