このレビューはネタバレを含みます
教養がなく楽しみもポルノ映画のみ。一目惚れした女性にアプローチするもうまくいかず、周りの人との会話もどこかぎこちない主人公。
気になる女性との初めてのデートでは自分の趣味のポルノ映画を一緒に観に行く。おそらく女性がポルノ映画が嫌だった理由を想像することもできないかもしれない。
愛想笑い、内に秘めた不満、孤独、プライド、偏った正義感。
学がないのに思い込みが激しく、汚れた街を洗い流して一掃したいなど、何か大きなことをしたいと思いながらくすぶっていたが、その矛先はあらぬ方向へ。
どこかぎこちないがどこにでもいるような男が、不満を募らせ、破滅の道を歩む様。
主人公は淡々としていて、出来事や行動が線になって結びつかない。自分語りが入りながらの展開なので、まともな人間かと思わされるが、そこまで深く考えていない人物なのかもしれない。目の前のこと、目の前の自分の世界に手一杯な不器用な男。