東朴幕院

タクシードライバーの東朴幕院のレビュー・感想・評価

タクシードライバー(1976年製作の映画)
5.0
初見は月曜ロードショー。偏執的な考えに囚われたトラヴィスが売人から銃を購入し、自らを武装していく様は中学生だった自分への影響は大きかった。幸い例の腕立て伏せするだけに留まったけど。
改めて観賞するとポール・シュレイダー脚本によるストーリーはトラヴィスにとても冷たい。無関心が若者を狂気に駆り立てるのが良く描けていた。一方でシヴィル・シェパード演じるベッツィはパランタイン大統領候補への支援でとても生き生きとしているし、ハーヴェイ・カイテルは組織の一員として役割があり機能している訳で。そういう中でジョディ・フォスター演じる少女はトラヴィスと同様に社会弱者に映っただろうし同類として思った事で、命を張った強行に出たと思う。
一躍、ヒーローとして新聞の片隅に載ったのは良いがトラヴィスの苦悩は晴れた訳ではない。
本作が遺作となったバーナード・ハーマンの音楽も非常にマッチしている。偉大なる傑作。
東朴幕院

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