takecare

39 刑法第三十九条のtakecareのネタバレレビュー・内容・結末

39 刑法第三十九条(1999年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

刑法39条をテーマにした社会派作品かと思って見たが、そうでもなかった。

また、ストーリーのなかでは少年法も同時に扱われており、タイトルがなければどちらに主眼を置けばいいのか迷ってしまう。なんのための復讐なのかはっきりしない。

それ以外にも全体的に、何をテーマにしたいのか主張があやふやで、何を伝えたいのかわからない。加深さんが服薬していたりお母さんのシーンを入れてくるのはどう考えればいいのか悩んだ。
タイトルは無視してミステリーとかサスペンスとして見れば、割と面白い作品だったが、映画を通じて刑法39条について考えることを期待したので、物足りなかった。

解離性同一性障害については、国内でもこの障害を持つ被告人の事件がニュースに取り上げられる時代だ。
ビリーミリガンが話題になった頃のような、遠い国の不思議な話でもない。1999年にはキャッチーだったかもしれないが、今は数ある精神疾患のひとつにしかすぎない。解離性同一性障害についての詳しい説明のない状態でトリックにだけ利用されてしまっている事に、個人的には複雑な気持ちになってしまった。

演技に関しては、ボソボソしていて聞き取れないシーンも少なくない。イライラもしたが、なぜか同時に味わい深くも感じられた。
裁判で弁護人や検察の早口すぎるシーンは、素人の私にとっては非日常的な法廷の現場のような迫力だ。
欲を言えばDVDなどの日本語字幕が選択できる媒体で見たかった、とは思ったが。

見る前に期待していた社会問題への言及が物足りなかったため、評価は低く設定したが、こんなに長文になる程感想があるということは、自分にとっての影響は大きいとも考えられる。
takecare

takecare