Koshii

ターミネーター2のKoshiiのレビュー・感想・評価

ターミネーター2(1991年製作の映画)
4.5
午前10時の映画祭にて再鑑賞!

個人的に今回のラインナップで一番楽しみにしてました。
スクリーンでシュワちゃんを観ることが出来て大満足でした!!


以下、ネタバレや感想を含みます!













壮大なSFストーリーは細部にまでこだわった設定により活かされ、巧みな伏線やキャラクターの心情を丁寧に描いた名作でした。

また、前作で脅威であったT-800が序盤ではサラ・コナー達の味方であるか分からないため、「追いかけてくる」という純粋な恐怖を演出出来ていた部分もグッドでした。

旧型T-800、新型T-1000問わず、彼らには明確な目的がプログラミングされていました。T-800はジョン・コナーと自身を守ること。T-1000はジョンをターミネイトすること。彼らの外見は人間のようにしかみえません。しかし、徹底して目的を達成しようとする彼らの行動は、非常に合理的であり、サイボーグであるということ上手く認識させていました。

本作のテーマは”人間らしさ”であると思います。上記のように人間vsサイボーグという構図を取ることで、「人間を定義する要素とは何か」ということにアプローチしていきます。後にサラは”人間らしさ”を”生命の価値”と変えて、「機械に生命の価値が学べたように、人間も学ぶことが出来るはず」と語ります。

物語ではT-800がジョンによって、人間らしさを学んで行くのですが、サラもまた未来を背負う身として感情を殺して生きており、息子によって人間である事の大切さを思い知らされます。

合理的に生きる者と、合理的に生きなければならない者は、未来のリーダーであるジョンの思いやりによって人間らしくいることの重要性を理解し、それが未来への希望であることを学んだのです。


本作の好きなシーンは山ほどあるのですが、T-800とジョンが車の修理をする場面がお気に入りです。「人は何故泣くのか?」とジョンに問い、ジョンは「心が傷ついた時」と答えます。感動のラストシーンにつながる非常に重要な場面ですが、”T-800が尋ねた”ということが印象的でした。それまではジョンが「サイボーグでも〇〇なの?」と尋ねるシーンが続いていたため、ここでも「サイボーグって涙を流すの?」と聞くことができました。恐らく、T-800が質問するまでにもう少し間があればそうなっていたと思います。

単に、T-800が人間について学習するためだったかもしれませんが、彼が人間により寄り添おうとする行動にも感じられました。この、彼が人間に近づこうとする行為は、まるで希望の光のようで感動的でした。



ターミネーター2を劇場で観る機会を設けてくれた本企画に心から感謝したいと思います。
Koshii

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