FREDDY

ジェイコブス・ラダーのFREDDYのネタバレレビュー・内容・結末

ジェイコブス・ラダー(1990年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

エイドリアン・ライン監督がティム・ロビンスの主演で制作したサイコスリラーである本作は、仕事を終え帰路につくもニューヨークを走る地下鉄の車内で眠りに落ち、ベトナム戦争下のメコン川デルタ地帯の米軍陣営で仲間の兵士らとともに一息ついていたところ、敵兵の急襲と原因不明の中毒症状により次々と周囲の人間が命を落としていく惨劇を目の当たりにし、ジャングルで身を潜めていた自身も何者かに銃剣で腹部を刺されてしまうという戦場で起きた出来事を追体験したことで目を覚ました直後、駅の出口が封鎖されやむなく線路を横切り反対側のホームへ移動していたところ九死に一生を得た体験と謎の怪物と遭遇したことを皮切りに、夢とも現実ともつかない奇妙な出来事が相次いでいたことで不安を募らせていたベトナム戦争からの帰還兵で郵便局員のジェイコブ・シンガーが、これまでの奇妙な出来事の原因が"悪魔"ではないかと疑いの目を向けていたとある日に突然電話をかけてきたベトナム時代の戦友ポール・グラニカーと再会し、彼もまた同じ悩みを抱え苦悩の日々を送っていたことで、目の前で謎の死を遂げたポールが問題視していた、"ベトナム戦争時に軍が何かしたのではないか"という疑問に目を向け、同じ症状を経験していた小隊の仲間たちとともに弁護士のギアリーのもとへと訪れたことを機に思いも寄らぬ事態や驚愕の"事実"と対峙していく様が描かれた作品となっているのだが、本作はタイトルの通り旧約聖書の"ヤコブの梯子"を題材としたものとなっているので予備知識の乏しいままでの視聴に多少の不安を覚えていたが、細部に至るまで理解するには困難を極めたものの、"ベトナム戦争によってPTSDを患った主人公の悲惨な現実"を描いた映画だと視聴者に認識させておいてのあの終盤の展開には驚かされるばかりで、結末を知ってから映し出された物事を振り返ると確かにネタバレ要素が散りばめられていて簡単に策にはめられたことに悔しさが。もうこれだけでもエイドリアン・ライン監督や脚本をつとめたブルース・ジョエル・ルービンには脱帽なので良作であると認めざるを得ないですね。本作は2度楽しめる内容となっていて今観ても十分すぎるほど面白いので観るべき一作であり、強くオススメできる良作。面白かった。
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