ジャック・ニコルソンとフェイ・ダナウェイがスクリーンに登場すると、どうしてもアメリカンニューシネマの系譜として捉えてしまいそうになる。でも、これっていわゆるハードボイルド映画だよね。まあ、ラストのアメリカンニューシネマチックなところは好みだけど。
よくできた暗黒映画だと思う。ストーリーも一転二転しながら、ちょうどいいダレ具合で進んでいく。最近のハードボイルドは、まるでSF映画みたいに隙なく、アップテンポなのが気に入らないけれど、この映画はダレ具合がいい。ダレすぎず締めすぎず、ちょいとゆるく進んでいく。
ジョン・ヒューストンがいい。僕らの世代は監督としての彼の方が強く記憶されてるけど、そうだった彼はバイプレイヤーとしても有名だった。
個人的に、この映画の最後のオチは苦手で、それをオチにしなければならないほどなのか?と思ってしまう。何気ない父と娘の愛憎だって、ちゃんとドラマになるだろうに。
ということで、僕のポランスキーはこの『チャイナタウン』と『テス』かな。肩の力の抜けた小品として『おとなのけんか』もあるけど、大きめの作品としては、この二作と『ローズマリーの赤ちゃん』だな。