しゆ

イヴの時間 劇場版のしゆのレビュー・感想・評価

イヴの時間 劇場版(2009年製作の映画)
3.8
アンドロイドが導入されてまもなくの日本で、あえて人間とアンドロイドを区別しないカフェ''イヴの時間''での交流を描いたSF映画。人とアンドロイドの倫理観をテーマにした作品は世の中に溢れるほど存在するけど、本作はアンドロイドを肯定も否定もするわけではなく、彼ら彼女らを通じてお互いにすれ違ってしまわないように言葉で伝えることの大切さを知れる。
普段は事務的で無表情なのにイヴの時間では笑顔のギャップにやられた。中身は機械とはいえ姿かたちは頭上のリングがなければ人間そのもので、情が湧いてしまうドリ系の気持ちも分かる。というか自分も将来はそっち側。表情豊かなサミィがかわいい。あんな雰囲気良くて知る人(アンドロイド)ぞ知るカフェがあったら行ってみたい。そして入り浸りたい。
タイトルに劇場版がついてるのは2008年にネットで公開された15分×6話のアニメーションで本作はそれを再編したもの。それらは監督からファーストシーズンと呼称されている上明らかに語られてない謎があって結末も続編を示唆させる形だったけど、10年経った現在も音沙汰なし…。幸い吉浦監督は現在公開中の『アイの歌声を聴かせて』のようにアンドロイドをモチーフにした作品でアニメーション制作を続けていることから、いつかイヴの時間2が公開されることも期待したい。
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