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上陸第一歩のFrengersのレビュー・感想・評価

上陸第一歩(1932年製作の映画)
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ジョゼス・フォン・スタンバーグの『紐育の波止場』をモチーフにしたトーキー作品である本作。船がやって来ては帰るまでの(リンクレイターの様な)特定の時間を映し出したメロドラマ。画面構成は最高ながら、まだ無声映画期と直結しているからなのかカット毎に演技を仕切り直しているのを見て、セリフのカットによってゼロから仕切り直せる無声映画特有の利点を見いだしたりもした(小津映画の切り返しのヒントか?)。画の繋ぎ、視線の交配などが更に洗練されるのは以降の話。海に身を投げた女が一方的な恋慕を垂れ流す様が後半諄いのだが、この情緒を切り離した1930年代の日本映画はカッコいいなと思った。
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