このレビューはネタバレを含みます
お久しぶりに映画のレビュー。
先月からネット小説の連載を始めたので、長篇に費やす時間を中々確保できずでした。
まあ、今から紹介するのは、短編映画なんですが、しばらくはこういった形が続いていきますね。
無駄話はさておいて、本題に入ります。
キノがまだ師匠のところで生活をしていた頃と、塔の国って呼ばれる国にフォーカスを当てた劇場版。アニメシリーズから殆どのスタッフ・キャストが参加していて、TVシリーズを監督した中村浩太郎監督は後半の『塔の国』のメガホンを担当(『何かをするために』のメガホンは渡部高志監督(2000年版「ブギーポップは笑わない」監督))。
前半『何かをするために』。
初代(?)からキノの名前を継いで間もない二代目キノが、お師匠さんと暮らしながら、キノを形成する話。何で他人と関わる距離が今の形になったのか、不安定でまだまだ未熟なキノが中々新鮮です。
まあ、TV版同様、だるみのパートは否めませんが、相変わらずたゆたうような雰囲気は大好きです。
後半『塔の国』
「バベルの塔」を思わせるシンボリックな高い塔を建て続ける国民とキノの僅かな物語。
不安が国を作るとか、川があるから堤防を作るってエルメスの言葉はときたま哲学めいてて、そこが却って面白いし、ラストも皮肉な終わり方。このいわゆる抜け出せない隷属性への目線とか、いつかだとか他力本願ばかりじゃ何も掴めない。前半よりドライであって、結構面白かったです!
自分の人生、決められるのは、結局自分ですからね…
総合的に悪くはないし、むしろテーマはとても良い。もうちょっとメリハリを増しても良かった気がします。