にもの

ピアノ・レッスンのにもののネタバレレビュー・内容・結末

ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ピアノの鍵盤の代わりに切り落とした指を送りつける対比がセンス良すぎて鳥肌立った。鍵盤も指も、彼女の一部だった。
映像が美しい作品で、絵になる場面は沢山あったが、中でも特に海辺でピアノを弾くシーンが印象的だった。不本意な結婚でずっと仏頂面だったエイダがそのシーンだけはとても楽しそうだった。
ラストの海の底に沈むピアノも美しい…

エイダがベインズのどこに惹かれたのか正直全くわからず、彼女の気持ちが想像できなくて困った。
ベインズは顔イケメンなのに何かと気持ち悪い。ギャグかと思うくらいすぐ尻出すしセクハラするし無理…ピアノの下からスカートの中覗いてるところとかゾッとするわ…この人のどこが良くて好きになるんだ…真っ直ぐな愛を感じるから…?手口がかなり卑怯だと思ったけど…
でも後半はちょっと応援してしまった。

時代的には普通なんだろうけど、親に決められた相手と結婚させられて、夫はモラハラ気質で自分の宝物のピアノ勝手に売られて、エイダが不憫すぎるので不倫に走っても同情してしまう…振り回される娘はあまりにもかわいそうだけど、親だって人間だからなぁ…。
娘、結婚相手をパパなんて呼ばないとか言っておきながら、あっさり寝返ったのがちょっと寂しくなったりもした。まあママが悪いねこれは…。

途中の青髭の劇はラストの伏線だと思うが、そのせいで首切り落とされるのかとハラハラした。ハッピーエンドでよかった。

海に捨てたピアノは棺桶、一度死んで新たに人生を歩み始めたんだなと思う。
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