菅藤浩三

ピアノ・レッスンの菅藤浩三のネタバレレビュー・内容・結末

ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)
1.5

このレビューはネタバレを含みます

 オーストラリア映画で女性のジェーンカンビオン監督という、非主流ながら1994年アカデミー賞で脚本賞・主演女優賞(ホリーハンター。同じ年に彼女はザファームで助演女優賞にもノミネートされていた。そしてカンヌでも女優賞をゲットした)・助演女優賞(アンナパキンなんとこのとき11歳!)の3冠、監督としてはカンヌのパルムドールを受賞した名作(当然アカデミーでも監督賞にもノミネートされていたが、受賞したのはシンドラーのリストのスピルバーグ)。賞の不思議でいえば、マイケルナイマンの手がけた’’楽しみを希う心’’は、アカデミー賞の録音賞にも作曲賞にもノミネートすらされていない。
 てことで名作だワクワクと期待してみたのですが、なんじゃこりゃー(怒)。いくら時代設定が日本でいえば幕末といってもこれラブロマンスに組み入れてよいのか(再び怒)。
 スコットランドからニュージーランドにいるスチュワートに再婚で嫁いだ失語症のエイダ(主演女優)と娘フローラ(助演女優)は、持ってきたピアノを海岸から運んでもらえなかった。ピアノを手に入れた原住民のベインズは、ピアノを弾くエイダに惚れて、ピアノを返してもらいたければ添い寝しろとか服を脱げとか要求し、もともとスチュワートに愛情を全く感じていなかったエイダはこともあろうに、次第にそんなクズのベインズに惹かれてしまい、2人は不倫の関係になる。カメラワークの過激なラブロマンスの描写もあるが、その不倫が夫スチュワートにのぞき見され、さらに、娘フローラを連れてベインズの所にピアノレッスンにやってくるので性的行動の意味が分からない娘フローラにまでその不倫のシーンを隠し見されてしまう。そしてとうとう限界を超えた寝取られ夫のスチュワートは、止める娘フローラの目の前でエイダの人差し指を切り落とす。指を切り落とした後にスチュワートは離婚してエイダとフローラそしてベインズを追放する命令を出す。途中までピアノを運んでいたが海の上でピアノは捨てられその際にロープでピアノに足を結んでいたエイダもピアノごと海にひきずられる、何とかエイダだけ助けられ人差し指に義手をつけて新たなピアノを奏でる。。。性に破天荒なエイダといい、さらに母が間男と不倫してるモロシーンを見たあげく母親が義父から指を斧でちぎられるシーンまで見せられた、少女にしてトラウマ級の光景を目の当たりにしたフローラといい、トンデモ作品を見せられたとしか言いようがない。いくらマイケルナイマンのピアノが美しくても、未開のニュージーランドを描写したカメラワークがキレイでも、この作品を褒める評論家や審査員たちと私はまるで感性あわないなーと感じた
菅藤浩三

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