アギゴン

海を飛ぶ夢のアギゴンのネタバレレビュー・内容・結末

海を飛ぶ夢(2004年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

フォローワーさん方のレビューを読んで鑑賞
若かりし頃、浅瀬の海に飛び込んでしまい、怪我を負った原因で四肢麻痺となってしまった一人の男性が「尊厳死」に至るまでの
記録を辿ったヒューマンドラマでした。
家族の手を借りて、生きながらえる己の人生に耐え難い思いを抱えていたラモンは、「死」を願うようになる。しかし四肢麻痺である自分には、自死することも出来ない。誰かの手助けが必要となるその死を「尊厳死」として法的に認めさせる為、弁護士を雇い活動を始める。ラモンの元にやってきたのは、女性弁護士のフリア。
ラモンの尊厳死についての思いを深く知るうちに複雑な気持ちになっていくが、自分の生き方についても考え始める。
彼女自身も難病を患っていて、死を身近なものに感じていたフレアは次第にラモンの思いに共感を持つようになり、法に訴えかけるための裁判に必要な資料、本の出版など、フレアはラモンの為に動き始める。
心の奥底に同じ思いを抱えた二人。
いつしか愛情がめばえ始めるが……。

ラモンの考えに家族の意見は別れるも、最終的にはラモンを尊重し彼を支えていく姿がとても切なく、そして温かく感じました。
ラモンを演じたハビエル・バルデムは首の下は殆ど動けない役柄でしたが、表情や目線の動きで、訴えかけてくる演技は、説得力があり凄いものを感じました。
この作品は実話という事で、ラモンに携わった家族、友人達の気持ちを考えると、ほんとに複雑な思いです。家族にとっては、ラモンの最後のシーンははっきり言って辛すぎます。
自分だったらどうする?
この答えは当事者にならなければ分からない答えなのじゃないかな😔
美しい海が広がる風景のシーンを見ながら
人生の最後に私は何を見るのだろうと考えていました。
エンディングで流れる曲がとても沁みてきました。
人生の折り返し地点に立つ私にとって、この作品は色々と考えさせられた作品でした。
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