囚人13号

男の争いの囚人13号のネタバレレビュー・内容・結末

男の争い(1955年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

レッドパージでハリウッドを追われたジュールス・ダッシンのフレンチノワール。
物語自体は悪人の美学に焦点を当てたものだが、額に汗を光らせながら30分間ひたすら金庫破りに没頭するシーンやラストの車を運転しながら力尽きる主人公を見せるモンタージュはやはり歴史を変えた名シーン。運動の加速に相乗して死も進行し、停止によって誰にも気付かれず冷たくなっていくあの無力さはフランス映画の特権か。

やはり評価は高く、海外でも古からのテーマであるギャングと暴力、そして死を新たな観点から描き出した傑作でヌーヴェルヴァーグ作家に影響を与えたとか言われてるらしい。因みに当時の日本では同時期に公開された『アスファルト・ジャングル』が引き合いに出されてアメリカとフランスの犯罪映画を比較していたと祖父から聞いた。贅沢な時代だなぁ。
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