長江哀歌（ちょうこうエレジー）のodyssのレビュー・感想・評価

【主役は風景と人間の群れ】
　
長江周辺の眺望、三峡ダムによって住まいを奪われた人々、この先さらに水没する地域の建物の破壊作業など、主役は個々の人間と言うより、風景および群れとしての人間かな、と思いました。

一応主役らしい男と女も登場しますが、あくまでそれは近代化の過程の中で生じる人間関係のごたごたや変化の一例に過ぎないわけであって、人間同士のドラマよりもう少し大きな何かが描かれていると言えるでしょう。

ただ、ゆったりとした進行は独特で悪くないけれど、正直、ちょっと退屈もしたかな。