イチロヲ

インサイド・ディープ・スロートのイチロヲのレビュー・感想・評価

3.5
1972年度のハードコア・ポルノ「ディープ・スロート」の社会現象について、関係者の証言から紐解いている、ドキュメンタリー作品。

60年代のカウンター・カルチャーからポルノ解禁までの流れを根幹にしながら、製作者と保守派の争い、マフィアが絡んだ映画興行の裏事情、製作関係者たちが辿った数奇な運命を説いていく。

「ディープ・スロート」は、ポルノ映画としての「点」ではなく、ひとつの流れの「線」で観るべき作品。製作者は「自己表現が抑圧される社会」と闘っており、その反動をクリエイティブ精神に注いでいる。モノ作りをしている人間の反骨が主軸のドラマ。

ポルノ解禁以前のアメリカ社会の性格が解説されていないため、リテラシーの高さが試されることになるが、アメリカは性表現に対してものすごく保守的であることを念頭に置けば、万事オーケー。
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