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みじかくも美しく燃えのMoscatoBiancoのレビュー・感想・評価

みじかくも美しく燃え(1967年製作の映画)
1.0
理性重視・感情軽視のワイ的には零点です。

巷では「当時の階級社会と一般的な性道徳のせい」で起きた悲劇として受け止められたようです。
前者は伯爵と綱渡り芸人という身分の差、後者は妻子ある男と独身女性の不倫を意味すると考えられます。

ワイは、ポイントはそこではないと思います。

一番の問題は、主人公の片方スパーレ中尉が所属していた軍から逃亡していることです。どこの国でも脱走兵は厳罰に処されます。

スパーレ中尉が「わしに仕事を探せと言うんかい?」みたいに逆ギレする場面があります。正体がバレると捕まるので求職活動できないわけです。

そんなことは逃亡する前からわかっていたはずです。つまり最初からこの結末を狙っていたとしか思えません。(双極性障害で財産も使い果たしていたという話もあります)

職に就ければ別の結末を迎えることもできたはずです。こうなるしかなかったのは軍からの逃亡が原因です。
身分の差や不倫は倫理の問題ですが、逃亡は法の問題だからです。

主人公の別の片方エルヴィラは災難でした。
スパーレ中尉は、けっこう一方的だったという話があります。妻子持ちであることや文無し・借金持ちであることを隠していたとか、自分と結婚しないと拳銃自殺すると言って脅したとか。
スパーレ中尉があまりに執拗で、エルヴィラは神経衰弱になったそうです。

ラストもひょっとしたらエルヴィラは同意していなかったかも とか思いました。

スパーレ中尉の妻子も災難でした。あるいはろくでなし夫が消えて喜んだとか?
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