オトマイム

みじかくも美しく燃えのオトマイムのレビュー・感想・評価

みじかくも美しく燃え(1967年製作の映画)
4.3
‘‘1889年、〇〇と〇〇はデンマークの森で心中した’’というテロップが最初に流れる。
少女漫画の世界、ベタな心中もの…?バカバカしかったらやめようと観始めたら(ごめんなさい)、程なくしてその圧倒的な美しさに引きずり込まれる。北欧の混じり気のない空気のような純度100%の愛。美しくないものは‘何ひとつ’(強調!)映っていない。途中から色眼鏡をかなぐり捨て没頭している自分がいた。結末を知りながら観ているのにこの吸引力はすごい。

髭剃りが終わらぬうちにキスをし泡まみれになったり。糧を得るために魚を釣ってはしゃいだり。木いちごとクリームを手づかみで貪るように食べたり。モーツァルトとヴィヴァルディの音楽も素晴らしくこの世界と溶け合っている。

空腹に耐えかねて落ちた木の実を口に入れ吐く姿さえ美しい。脱走兵との駆け落ちだから手持ちのお金が尽きればおしまい。逃避行には終わりがある。ふたりの戯れをいくらでも観ていたかった。
‘‘美しい映画マイベスト10’’入り決定です(*☻-☻*)←特に作ってないけど