オチの素晴らしさに驚いてしまった。
原作は未読なのでこれが宮部みゆきのセンスなのか監督の実力なのかは判断がつかないが、良い意味でモヤモヤ感を残し、希望も見せつつ余韻を満喫できる。
財布に語らせるなど突飛なアイディアだが、これもストーリーに馴染んでいて違和感は無い。と言うよりより引立たせている。
犯人の動機も原作が書かれた90年代に承認欲求を持ってくるなど先見の明がある。惜しいのが実行犯がさすがに唐突ではあったことか。
8章からなる今作だが、テーマが明確に出ていて緊張感があった「旧友の財布」が見所。
演出などは少し「日本のドラマ」的でチープ感はあるものの、ストーリーの素晴らしさと、落とし方の絶妙さで楽しめる作品だ。原作を読んで見たくなる。
はたして刑事が言った「悪人は必ず罰せられる」となったのか、子供が心配していた「あいつはずっとテレビの中で笑っているの?」となったのか・・・・