ブルックリンの街角で煙草屋を営むオーギー・レン。
銀行強盗の流れ弾が当たり、妻を無くした過去のある小説家のポール・ベンジャミン。
車に轢かれそうになっていたベンジャミンを助けたラシードという黒人の少年。
掴めないタバコの煙のように、曖昧で掴みどころのない、嘘か真実かその境目で揺れる物語。
小説家のポール・オースターがニューヨーク・タイムズ紙から「クリスマス用の短編を書いてほしい」と依頼を受けて書き上げた「オギー・レンのクリスマスストーリー」。
それを本作の監督のウェイン・ワンが気に入り映画化となり、ポール・オースターが脚本を務めた。
「Smork」という映画もポール・オースターという小説家も知っていたけど、まさかポール・オースターがこの映画に関わっていたなんて。大好きな作家さんなので驚きました。
とても不思議な映画でした。登場人物達は、偽名を使ったり、嘘なのか真実なのか判断の難しい話をする。
彼らの話は、見えなくても存在しているタバコの煙のような曖昧なもの。一見無いようで繋がっている彼らの絆も。
ストーリーとは別のところにメッセージが組み込まれていて、彼の小説を読んでる気分になった。観た後に独特の余韻が残る映画でした。