原作は、ネルソン・オルグレンの同名小説。
当初ジョン・ガーフィールドが映画化権を取得したが、麻薬をテーマとしたため、犯罪映画(フィルム・ノワール)を規制する当時の"ヘイズ・コード"にひっかかり、作品にできなかった。
ガーフィールドの死後、オットー・プレミンジャーが実現にこぎつけ製作、監督した。
原題:The Man with the Golden Arm (1955)
“黄金の腕”を持つと評判のカード賭博のディーラー、フランキー(フランク・シナトラ)は、6ヶ月の麻薬療養を終え、車椅子の妻ゾシュ(エレノア・パーカー)のもとに帰ってくる。
堅気の仕事(楽団のドラマー)に就こうとし、酒場の女モーリー(キム・ノヴァク)も手助けするが、罠にはまり、再び賭博と麻薬の世界へ…。
「一度やめたんだ。だいじょうぶ」
「イスに座っている限り、○○は私のもの」
エルマー・バーンスタインのモダン・ジャズが、ソール・バスのタイトル・デザインに乗って、スタートから作品を盛り上げる。
麻薬中毒に苦しむ賭博師をシナトラが好演。
美しいエレノア・パーカーが"夫を愛しすぎる"、精神を病んだ悪女ぶりを見せる。
対するキム・ノヴァクはうらぶれているがいい女の感じが似合う。