ちろる

ダンボのちろるのレビュー・感想・評価

ダンボ(1941年製作の映画)
3.6
実写版を観たせいで、こちらのオリジナルの印象をすっかり忘れてしまった。
もう一度見直すと、え?っていうくらい物語が簡潔。
人間がほぼ介入しない動物たちだけの社会で、ダンボがどう生きてどう強くなっていくのかを描いている。
生まれたばかりでコウノトリに運ばれたジャンボのこどもは、ダンボと名付けられたものの大きな耳のせいでジャンボとダンボは心無いいじめを受ける。
その様子を見ていたネズミのティモシーは可哀想なダンボを守ろうと常にダンボの近くにいてあげて親友になる。

ジャンボがダンボに子守唄を歌ってあげるシーン、泣けました。
誰がなんと言おうとあなたはわたしの可愛いベイビー。
このジャンボの深い深い愛情と、ティモシーの深い深い友情がきっとダンボを強くしたのでしょう。
ダンボの可愛らしさってやっぱりあの大きな瞳で、ちょっと上目遣いになる表情豊かな瞳が世界中の人を魅了するのだと思う。
ダンボは喋りもしないし、歌いもしないけど、
子供の時にこのダンボのアニメを見た時に、ダンボのぬいぐるみが欲しくてたまらなくなったのを今でも覚えている。
私がそうだったように、ダンボを観る全ての人が自分の中にある母性本能に火がつき、不遇ならダンボを映画の中で応援し、あの飛び立つシーンはまるで子どもが自立したかのように感銘を受けるのだ。

こどものころ歌と踊りを観ていたらあっという間に終わってしまうようなアニメ映画だけど、大人になって改めて観ればまたこの作品の魅力に気付かされる。
ピエロのテントの影のシーンだったり、アニメの綺麗さだったり、この作品が作られた年代を考えれば改めてすごい作品なんだなという事が分かる。
短い作品なのに、(だからかな)印象的なシーンもたくさんあり、気がついた時にふとまた見たくなる作品なのかも。
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