このレビューはネタバレを含みます
鑑賞日 2024/09/06
人と人を繋ぐもの。信仰、利益、血の繋がり、責任、愛、嫉妬心…など、それらが入り交じったなかで人間関係は構築されている。何を信じるべきで、どう見分けるべきかなんて、回答用紙みたいなものに明記されているわけでもない。ただ、経験のなかで培われた直感みたいなものとして憶えていくものなのだろう。
思いやりを騙って、人を陥れようとする悪人は多くいる。用心深くそれを見分けることも大切だが、全てを閉め出してしまえば、愛だって受け入れられるはずもない。特段ダニエルは用心深い性格で、だからこそ富を得たし、宗教に騙されることもなかった。
裏切られたからこそ、そんな直感は培われた。結果的に富を得て、息子は自立していくことが出来た。愛だけでそれが手に入るかと言われれば、なかなかそうとも言いきれない。
ある程度、ダニエルのような冷酷さだって、彼の主体性を伸ばすために必要なことなのだろうと思う。
愛も、富も。両方を得るには、きっとすっごく難しいバランスのようなものを保たないといけないわけで、そのためにも直感を正しく磨き続けねばならないのだろうと思った。二元的に、人はどちらか一方が大切だと判断を下しがちだが、その結論はもっと先伸ばしにしていくべきなのかもしれない。
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