義民伝兵衛と蝉時雨

ざくろの色の義民伝兵衛と蝉時雨のレビュー・感想・評価

ざくろの色(1971年製作の映画)
4.5
新文芸坐にて初鑑賞。
言葉とペンと書物。天才詩人の苦悩と、不滅の魂を持ったその作品達。それらを超観念的映像表現で奏でる。映像に音に美術。堪らず噴き出してしまいそうなシュールさ。凄まじいほどに抒情的で観念的な映像体験に、途中から頭と心が追いつかない。一度観ただけでは断定することや語ることは到底不可能だと感じる。背景を学び繰り返し観ることで心の奥底まで浸透してくるようなタイプの作品だということは間違えなさそう。魔力的な中毒性がはっきりとある。いずれまたこの世界観に舞い戻ってくることは間違えない。

2023年9月24日、Blu-rayにて再鑑賞。
サヤト=ノヴァの魂を降ろしたセルゲイ・パラジャーノフの霊気漲る芸術作品の復元を目指してスコセッシ財団の情熱が傾けられたアルメニア版。
大地、水、生命、霊妙、妙音、吟遊、詩情、本、魂、脱俗、父母、恋人、郷愁、孤高、独創、唯一無二、死して尚鮮やかに咲き続ける詩人の世界。極美。ムーサ ソフィコ・チアウレリの舞。