このレビューはネタバレを含みます
カナダのカトリックの私立高校に通うラルフは、校内でタバコを吸うなどをして、校長に目をつけられていた。
父は戦死をして、母は入院中に昏睡状態に陥る。
そんなラルフはある日「奇跡」というものを知り、奇跡を起こせば母は目覚めると信じて、ボストンマラソン優勝を目指すのだが……。
といった話だ。
「後ろを振り向くな。前を向け。振り向くのは弱さのしるし」
という言葉が数々の名言のセリフの中でも心に響いた。
この言葉は、まさにボストンマラソンを優勝を目指すようになってからのラルフの生き様そのもののように思うからだ。
最初のラルフは、プールの覗きなどの悪い行いばかりで好感は持てずにいた。
しかし、ボストンマラソン優勝を目指し、悔い改めようと頑張る姿に思わず応援してしまった。
そんな姿を見て、ラルフの周りの人間も心を動かされてしまう。
それは、ラルフのボストンマラソン出場に反対していた校長が、放送室から流れてくるボストンマラソンを聞き思わず「勝て」と呟いたことからも明確だろう。
「後ろを振り向かず前へ」
昔から好きな言葉だが、ラルフのように少しずつ成長していきたいと強く願わせてくれる作品だ。