このレビューはネタバレを含みます
マキノ監督の東京神田の男祭り
2012年9月25日 16時44分レビュー
1966年東映作品。企画俊藤浩滋。脚本笠原和夫。監督マキノ雅弘。
主演鶴田浩二、高倉健のダブル主演。
まさしく任侠道、
「てまぇしょうごくはっするは、どーもどーも2010でござんす、おひかえなすってぇ!」と
もはや啖呵をキルのも死語の死後となりつつある、古き良き時代の日本古式ヤクザ映画。
素晴らしい伝統、
伝えるべき映画、
日本人が一番見ていないアクション映画。
「日本侠客伝」シリーズ
軽い作品を見るとどうしてもこういう
「かったい硬い堅い素晴らしい日本のアクション映画」が、見たくなります。そこで本作四作め、東映DVD鑑賞となりました。
いやー素晴らしいこのゴリゴリキッチキッチな任侠映画の素晴らしさにふれました。
マキノ雅弘監督のギリギリまでドラマを引っ張る演出方法。
まるで大正期の大作火消し物語のような豪華キャスト。
里見浩太郎のまあ、若いこと。若造時代があったのね、必見。
物語は健さん率いる大正期の火消しのパレードに突進する一台の車。
利権、恋の駆け引き、流れ者が絡む、悪が火消しを黒く包む。
恋の駆け引きに若くてふっくら。ちょっと上戸彩さんにも似ている藤純子さんと健さん。
藤さんのマイナスをおびた役、必見。
この後単独東映主演をはたす看板女優の藤さんの若さ必見!
藤さんって任侠映画のゴットファーザー、企画の俊藤さんの娘さんだったんですね。
そしてコメディ班、松竹より藤山寛美さんの難波の柔らかいな笑いを届ける寛美さん必見!台詞まわし、一言動作の素晴らしいコメディアンぶり。
本作シリーズの硬さを柔らかくしてくれる素晴らしい助演です。
女に強気、押しにワガママ。火消しに憧れて、一員になる新人扱いの役柄。
東映任侠映画のお笑い所は、松竹や芸人さんを出演させています。
藤山さんも度々任侠映画でお見かけ致します。
それにしても、
堅苦しくも素晴らしい
かったい火消しの男気
仲間気質
団結力
啖呵血気
今の若人が見たらどうだろう?
古いでは片付けられない
素晴らしい組織物語、人情殴り込み
ラスト数分まで
ためてためて
爆発する素晴らしい殺陣
日本にも立派な娯楽があり事を日本人が一番知らないこの悲しさ
野際陽子さんの悲痛な恋
鶴田兄貴のやるせなさ
高倉健の爆発
ラスト健さんの祭りを進む歩調の素晴らしいカット
祭りはあくまで賑わいだけの飾りのよう
任侠事態は祭りを脇に、今男達のがなりがうなる
大ラスの素晴らしい対立群集と行進、傷だらけの男達
(「日本侠客伝」「昭和残侠伝」シリーズでは、お馴染みの修羅場の後の「終」の文字)
いやー素晴らしい
男の祭りと何組かのロマンスと非道な利権の悪知恵
神田の祭りに血の雨が降る
さて
マキノ雅弘が格式がっしりと魅せる
素晴らしき火消しの腕力と仲間血気
マキノ監督の神田男祭り
ぜひ
日本男児の歴史をとくとごらんあれ!