このレビューはネタバレを含みます
かなりクレイジーな映画と聞いていたんですが、案外ストーリーも筋が通っていて良くて、個人的にかなり好き映画でした。小難しい映画じゃなくて案外サクッと見やすいです。
まず主人公のシンプルな法則を見出そうとするというモチベーションがいいですよね。わかりやすいし、「本当にそういう法則があるのか?」という問いを作中全体を貫いているのでSF的にも面白いです。
周囲で意味のわからんことがいっぱい起きて、それに数学的な繋がりがあるのでは?と考える主人公の思考は一見支離滅裂で、「もしかしたら統合失調症なオチの映画かもな」と思うんですが、ラストまで見てもその答えははっきりしません。ここが個人的に面白いなと思ったところなんですが、こちらからしても「もしかしたら数学には世界の秘密が隠されているのかもしれない」って途中から思えるようになってるんですよね。ここが普通の精神疾患系オチの映画とは一線を画していました。
だけどコンピューターが壊れたり主人公自身がマシンを破壊してしまったり、結局何かの意思に阻まれるようにして真実は明らかにならない、認識しようとしたら発狂してしまうという神の造型はクトゥルフ神話を彷彿とさせる部分もあってよかったです。
あと、これ色んなところで言われてるんですが音楽とか効果音がめちゃくちゃ良いです。
総合芸術としても最高なのにストーリーも良いので、かなり面白い映画でした。おすすめです。