オプティマス

ロミオ&ジュリエットのオプティマスのネタバレレビュー・内容・結末

ロミオ&ジュリエット(1996年製作の映画)
2.7

このレビューはネタバレを含みます

バスラーマン監督作2作目の視聴になります。正直ムーラン・ルージュが好きじゃなかったのですが、アカデミー賞作品賞にノミネートされた作品でもあり評価も高めだったので、それが疑問点だった反面、逆に興味深い監督だなとは思っていました。
今作は名作の一つロミオとジュリエットを現代版にリブートした作品になります。バスラーマン監督が作ったことにより、ミュージカル風で若干のファンタジーなスタイルに仕上がっていました。セットも豪華に感じます。若干のCGが気になりましたが鮮やかなところは良かったと思います。

最初は現代チックな衣装や言葉の荒々しさ、背景も現代に近い雰囲気が漂っていました。しかし、そこから急に高貴な印象が強くなり「この唇で汚れを清める」とか「清らかな月に誓いを」とかキザなセリフを使うことが多かったです。その時点で時代にチグハグが起きてしまいました。まどろこしく感じましたし、単純に時代背景にあっていませんでした。
またムーラン・ルージュと同じでスローモーション、クイックモーションを多用しています。必要以上に多用していたと感じますしカットも多かったです。
しかし良かったところもありました。ディカプリオの演技は素晴らしかったです。脚本のくささは気になりましたが、ロミオがティボルトを撃ち殺すシーンはかなり圧巻でした。ロミオはジュリエットを愛したことにより、両家の問題を理解し、お互い愛し合いたいと、おおらかな気持ちに変化していきます。説得されている時のティボルトも表情からロミオ側の気持ちへと変わっていったように見えました。そして不意ではあるもののティボルトの手により従兄弟を殺されてしまいます。結局憎しみに溺れたロミオはディボルトを射殺します。心地悪いし報われなさに同情してしまいますが、本当に素晴らしいシーンでした。また感情的なシーンでカメラをアップさせるショットが何回かありました。キャラクターの表情をしっかり捉え、気持ちに入り込みやすくかなりグッドポイントでした。

キャラクターの行動で言えばわざとらしい場面も多くありました。キャピュレット家の使いにバレないようプールに潜るシーンがあります。去ったと思ったら静かに浮かぶのではなく口から「ブシュー」って水を吐きながら勢いよく浮かび上がります。伝わったでしょうか?笑 視聴者にドキドキしてもらいたいのかわかりませんが、わざとらしくてなんだか嫌でした。これ以外にもいっぱいあります。
全体的には評価が高い理由もなんとなーくわかりますが、批評的な目で見ると意外と出てくるなーという印象です。バスラーマン監督作品は個人的あまりハマらないのかなと思いました。