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せんせいのmhのレビュー・感想・評価

せんせい(1983年製作の映画)
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実話がもとになった長崎原爆、入市被爆の話。
前半はただたんに学園もの。
五島列島に住んでいた母親をなくしたばかりの兄妹が、長崎・外海のおばあちゃんちに預けられる。その道中で、ライダース姿の女性バイカーと知り合う。
通りから見えない石垣の向こうで地元の悪ガキと喧嘩してたら、いつの間にか、石垣に座ってるライダースにビビる。
学校にいってみると、彼女が新任の女性教員。
カトリック黒崎教会など観光名所も登場する。
楽しいばかりの小学校生活かと思わせて、後半はまるまる原爆についてのお話になる。
前半に戦争の匂いをほとんどさせないはテクニカルなんだけど、そうかと思えば、入院している隣のベッドの女の子は、説明セリフ要員だったりする変なバランス。
原爆病のことを説明してくれる流れで、医学書を読んでくれてて「目がよく見えなくなったり……目が……目が見えない!」となるのはさすがに笑ってしまうのでやめてほしい。
原爆被害を訴えるメッセージはかなり直接的で、先生が衰弱していく様子がなまなましい。主人公兄妹に向かって「先生のこの姿を目に焼き付けて、同じ過ちを繰り返さないで!」というのは、明らかに観客一人ひとりに訴えかけているのだった。いっぽうで、有無をいわさず死に様を見せるのは、いまだと児童虐待にとられかねないんじゃないかとも思った。
スタッフの皆さん経験も腕もあるので、普通の映画みたいに見ごたえがあった。
監督さん共産党員なのか。なるほどだったらなおさら腑に落ちた。
面白かった!
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