mare

セレブレーションのmareのレビュー・感想・評価

セレブレーション(1998年製作の映画)
4.5
ドグマ95の始まりの作品にして紛れもなく最高傑作。この性格の悪さとエンタメの両立、恐ろしいことにトリアーを超えてしまっている。これ今まで観た映画の中でもド級の狂いっぷりで、流石にもうやめとけってことが平然と起きる。登場人物全員狂ってるなんてありがちなキャッチコピーはこういう映画にこそ付けるべき。起きていることは最悪なのに心の中でニヤニヤが止まらない、ドス黒い倫理観の破壊は誰もが想像したくもない非日常的悪夢をトリガーにえげつない中毒性を生み出す。ヒヤヒヤもする一方で見世物小屋を見るようなサディズムが気づけば芽生えていて、本来興味本位で動く人間の醜い窃視的欲望のど真ん中を射抜くようだ。もう一点、登場人物が意図的にブニュエルの皆殺しの天使と同じシチュエーションにしてしまってるのがヤバい。徹底的にいたぶって大人数が集まる中、場の空気を地獄の底まで沈めた上で逃げ道すら摘み取る。最低最悪だよ、まさしく下品で鬼畜。この映画に対して世に蔓延る数々の罵倒の言葉と同時に盛大な賞賛を贈りたい。
mare

mare