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一人旅

一人旅の感想・評価

5.0
第51回カンヌ国際映画祭審査員賞。
トマス・ヴィンターベア監督作。

実業家の父・ヘルゲの還暦を祝うため家族や親戚が皆一堂に会する中、父に関する衝撃の真実が長男・クリスチャンの口から明かされていく様子を描いたドラマ。
ヴィンターベアの作品は『偽りなき者』しか観たことがないが、本作も心を鋭く抉られたような感覚に陥る。心底恐ろしく絶望的な映画だ。
還暦祝いの和やかな雰囲気が、クリスチャンの発言によって次第に破壊されていく。暴露される父の過去。クリスチャンの告白を聞いても、参会者はすぐには信じようとしない。というより、クリスチャンの発言を“聞かなかった”ことにするかのように、別の話で盛り上がり始めるのだ。大人たちは真実を受け入れることを恐れている。還暦の祝いの場で、事を荒立てたくないのだ。自分たちにとって都合のいいことだけを受け入れ、都合の悪いことには耳を傾けない。恰好と地位だけは立派でも、大人たちの心には受け入れがたいことに対する耐久性などまるで無い。それどころか、真実を既に知る者でさえ、クリスチャンを嘘つき呼ばわりして責め立てる。“クリスチャンは小さい頃から空想癖があった。だからこんな嘘の話をしてしまう”と。大人たちはまさに臭い物に蓋をするだけで、人格者とされてきたヘルゲに対する予期せぬ変化を恐れているのだ。
そして、罪と罰。クリスチャンの口から明かされる父の真実はおぞましく、残酷。だが、当事者である父でさえ自身の過去を受け入れようとはしない。本作は頑なに知らぬ存ぜぬを貫き通そうとする父が罪の意識を感じ、やがてあるかたちで罰を受けるまでを描いている。その過程で、家族間の愛や憎しみの関係、さらには古い考えに囚われた保守的な人々の差別意識までも描かれていく。
本作は人間の本質を浮き彫りにする。徹底的に追求したリアリズムが本作のもつ不気味さと恐ろしさを増幅させる。ある家族の風景をそのまま切り取って映画にしたかのように生々しく、何より観ていて気持ちが悪いのだ。
ちなみに、本作は新たな映画のかたちを創造するために開始された「ドグマ95」の記念すべき第1作である。
以下の要件を満たす作品がドグマ映画として認められる。
1.撮影はすべてロケーション撮影によること。スタジオのセット撮影を禁じる。
2.映像と関係のないところで作られた音(効果音など)をのせてはならない。
3.カメラは必ず手持ちによること。
4.映画はカラーであること。照明効果は禁止。
5.光学合成やフィルターを禁止する。
6.表面的なアクションは許されない(殺人、武器の使用などは起きてはならない)。
7.時間的、地理的な乖離は許されない(つまり今、ここで起こっていることしか描いてはいけない。回想シーンなどの禁止である)。
8.ジャンル映画を禁止する。
9.最終的なフォーマットは35mmフィルムであること。
10.監督の名前はスタッフロールなどにクレジットしてはいけない。
(Wikiより引用)
みきお

みきおの感想・評価

3.7
ドグマ95の映画初観賞
正直このルールを基に作る必要ないのではと思った

気まずい雰囲気味わいたい人にオススメ
キャラの取る行動にしろ、映画に施された演出にしろ、過去に発生した出来事それ自体を平然を装いつつ全力で「なかったこと」にする様子が印象深い。黒人蔑視のうたを皆で合唱し始めた瞬間がピークかと思ったけれどそんな訳はなく、幾度となく潰されつづけた妄言が他者の口によって確かな証言に置き換えられた辺りから、還暦祝いの場がこういった空気に包まれることの異常性が、段々と納得のいくものにシフトチェンジしていくのが心臓に悪かった。象徴的に挿入される水面のゆらめきは見た感じはすごく霊的だけど、同時に背後にある出来事に滲む地に足ついたグロさもあって、そのギャップが鑑賞者に名状しがたい感情を植えつけようと迫ってくる。ドグマの手形を携えたヴィンターベアのあくまでも理性的な眼差し。彼の原点である本作でもまた、主題は親子、きょうだい間に巡らされた糸のもつれ。作風の一貫性に痺れる。
弟がラストにお父さんに
声をかける所
なんだか印象に残った。
まあ、それまでずっと酷い人やったし笑
いち麦

いち麦の感想・評価

3.0
TNLF2015。T.ヴィンターベア監督によるドグマ95初作品。映像に比べ音がとても聞きやすい。再会した家族が次第に露わにしていく本性と本音の嵐。事件の発端、忌まわしき家族の恥部曝しそのものよりも胸糞悪い場面満載。
昼寝

昼寝の感想・評価

3.0
絶対に誕生日会をぶち壊したい長男VS荒波立てずに会を進行したい一同VSクソ下世話な使用人たち。
VHSの荒い画質、手持ちカメラの撮影、題材が相まってホームビデオみたいだった。そのホームビデオ感が内容にマッチしていると言えば、マッチしている。でも観てて疲れたしそこまで好きじゃない。
ドグマ95的撮影は、序盤の車が走る場面が一番冴えてた気がする。
ドグマ95が打ち立てたルール”純潔の誓い”を元に作られた最初の作品。
演技力のある職業俳優が演じているので、それなりに観れるが、撮影に使われるカメラがホームビデオなのでクオリティの低さを承知しなければいけない。
いわゆる実験映画で、観る側にも負担が強いられる。
音声も時々途切れるが、映像に比べれば、マシな方。
その後の作品、例えば、最新作の「アナザーラウンド」がルールに基づいていないのを見る限り、”純潔の誓い”は失敗に終わったことが分かる。
honmosuki

honmosukiの感想・評価

3.0
ドラマ。ある富豪の還暦パーティーが盛大に行われる中、突然の長男の告白により雰囲気が不穏なものに変わる。1990年代のデンマークの映画運動「ドグマ95」のルールに基づいて製作されている。ルールは手持ちカメラのみ、効果音は使わないなど。ルール適用で、ホームビデオのようなリアルさがある。ただ登場人物達が共感できない胸糞な感じなので疲れる。
yumasai

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3.0
見に行ったはずなんだけど記録が無い。

なんかずっと一族の歪み合いを見ていた記憶。しかもドグマ制作なのでクオリティもやや低めで疲れました。
mare

mareの感想・評価

4.5
ドグマ95の始まりの作品にして紛れもなく最高傑作。この性格の悪さとエンタメの両立、恐ろしいことにトリアーを超えてしまっている。これ今まで観た映画の中でもド級の狂いっぷりで、流石にもうやめとけってことが平然と起きる。登場人物全員狂ってるなんてありがちなキャッチコピーはこういう映画にこそ付けるべき。起きていることは最悪なのに心の中でニヤニヤが止まらない、ドス黒い倫理観の破壊は誰もが想像したくもない非日常的悪夢をトリガーにえげつない中毒性を生み出す。ヒヤヒヤもする一方で見世物小屋を見るようなサディズムが気づけば芽生えていて、本来興味本位で動く人間の醜い窃視的欲望のど真ん中を射抜くようだ。もう一点、登場人物が意図的にブニュエルの皆殺しの天使と同じシチュエーションにしてしまってるのがヤバい。徹底的にいたぶって大人数が集まる中、場の空気を地獄の底まで沈めた上で逃げ道すら摘み取る。最低最悪だよ、まさしく下品で鬼畜。この映画に対して世に蔓延る数々の罵倒の言葉と同時に盛大な賞賛を贈りたい。

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