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チャイナ・ガールのmareのレビュー・感想・評価

チャイナ・ガール(1987年製作の映画)
4.0
アベル・フェラーラの暴力はいつも瞬間的であり、すでに死んでいる場面を映すか、即死かという容赦のなさを見せつける。そんな危険極まりない抗争の中で芽生える対立する人種同士のラブストーリー。対極にある要素が交差し合いながら、誰も止めることのできない無益な争いが繰り広げられ、ひたすらに血を流し合う無情さが物悲しい。理想と現実のギャップに苦しみながらも、二人の愛は密かに情熱的に燃え盛る。二人を邪魔し続けるのは集団社会の傲慢さと、振りかざされる秩序である。息も詰まるような環境下だからこそ、目の前の相手はなによりも輝かしい存在として映される。このドライで突き放した視点が感情が揺さぶる余地を与えてくれる。
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