タマル

未知との遭遇のタマルのレビュー・感想・評価

未知との遭遇(1977年製作の映画)
4.0
ダグラス・トランブル(特撮)の名前だけは、絶対覚えとこう。
以下、レビュー。

はい。宇宙モノSFの古典、『未知との遭遇』でございます。
なんとなく「ツァラトゥストラ〜」はこの映画の印象なんですよね。
なんだろう? なんかのCMの影響かなぁ?

冒頭は真っ暗な画面から。恐らく『2001年』オマージュでしょう。
ダンッ!! という効果音と共に、真っ白な砂漠に画面が切り替わります。
冒頭が映画の内容を示唆する、という考えかたがありますが、今作に関しては「暗闇と光」が重要な役割を果たすという表明だったようです。非常に「光」が印象的な作品でした。

リアガラスから現れる光。
バリーをシルエットだけに変える光。
穴から差し込むオレンジの光。
意思伝達のために点灯する光。

伴って、印象的な「影」や「闇」の使い方は非常に映画的に素晴らしい。バリー君が闇に向かって走り、徐々に徐々に小さくなってゆくカットはとても印象的でした。

あと、今作はセリフが少ない映画という印象でした。加えて、顔へのズームが非常に多い。それにキャラクターの下から上へ、あるいはキャラクターのアップからカメラが引いていくカットで、だんだん凄いモノの全貌が明らかになっていくカットも多い。
この三点に共通して言えるのは、凄いモノを見る感覚を画面で表現しようという意図が読み取れるということでしょう。「画像」の持つ発想の自由度を存分に味わえた映画でした。

ただ、ラストの崖とか巨大宇宙船が現れるまでの下りは冗長だったなぁ。UFOフェチにはたまらないのかもしれんけども。
凄く真っ当な娯楽映画。オススメです。
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