Koshii

ゴーストワールドのKoshiiのレビュー・感想・評価

ゴーストワールド(2001年製作の映画)
3.7
ジャケットが物凄く気になっていた作品!

あらすじをあまり読まずにいざ鑑賞!!
もうね、90年代後半から2000年代初期の作品の雰囲気が堪らなく好きで、本作も例に漏れずの良作でしたよ!

軽くあらすじをどうぞ!

本作は、ジャケットに映る二人のティーンネイジャーが高校を卒業した直後、社会に出るまでのその間を描いた作品である。二人は言わば、『マージナルマン』の状態で、理想の自分と現実の自分とのギャップに戸惑い、その扱い方に葛藤する。


以下、ネタバレや感想を含みます。







特にイーニドは、「何かになりたい。何かをなしたい。」という想いが強く、自分のセンスを胸に彼女自身の道を歩いていた。

高校卒業を節目に、彼女は新しい自分を見つけるため、漠然と「何か」変われそうなものを探し始める。
しかし、がむしゃらにそれを求めるあまり、無為な選択肢を増やしただけになってしまっていた。その選択肢に干渉することや、干渉されることにも抵抗を感じたイーニドは、せっかく「何か」に該当したかもしれない選択肢を結局どれひとつとして選ぶことはなかった。

映画全体のチグハグなパッチワークのような雰囲気は、彼女の脈絡のない行動がただ整合性もなく繋がっていたからにすぎないのだが、この演出がなんとも不安定な彼女の状態をよく表しており、印象的だった。
また、後に押し寄せてくる後悔がなんとも切ないのだが、それと同時に彼女の過渡期がたまらなく愛おしくなった。


なんとも不思議な切り取り方の映画だったけれど、心にすっとしみ込んでいくような力のある素敵な作品でした。


20231125 劇場にて再鑑賞
Koshii

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