2010/9/11鑑賞(鑑賞メーターより転載)
ひたすらドンパチを描いて悲惨さを訴える戦争映画は多いが、こういう銃弾が飛び交わない形で戦争の総論での無益さ、それが各論で生み出す皮肉なほどの滑稽さを描いた作品は少ないかも。セルビアvsボスニアとの戦場の真っ只中に取り残された、戦争がなければ友人でもおかしくないのに銃がそこにあるというだけで敵対しあう兵士。それを前に何も出来ない国連軍。結局あのラストを迎えてしまう横たわった兵士。おそらく数時間程度の狭いエリアでの出来事を、これだけ濃密にメッセージ性強く、それでいて政治色薄く描けたのは素晴らしい。