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月世界旅行のsensatismのレビュー・感想・評価

月世界旅行(1902年製作の映画)
2.5
2020/142
この映像みて思ったことは、人類はどんな夢と願いをたくして映画をつくったのだろうかってことだったな。
絵画や写真が動けばいいな、遠くにいる人ももっと身近に舞台を見ることができればいいな、仮想世界が現実として目の前にあらわれればいいな…

靴職人の息子としてうまれたジョルジュ・メリエスは幼少期から手先が器用で成人するとマジシャンになり、そのイリュージョン技術は彼の映画にもSFX・特殊撮影として活かされる。
彼の映画創作は手品に近い感じがした。
どれだけ観客の目を騙し喜ばせることができるか。おとぎ話の視覚化。
しかし、1912年映画製作会社パテで委託製作した3本の映画を最後に彼の創作期は終焉をむかえ、フィルムは陸軍に没収されるか本人の手で燃やしてしまい、全531作品のうち今残っているものは200作品あまり。そのうちの1作品である『月世界旅行』、わたしがみたのは着色版で1993年にスペインで再発見されたものらしい。
メリエスがおくりだすSF的世界観は時代遅れのものとなり、詩的リアリズムな作品が席巻するようになるけど、わたしは映画というより創造作品全般に「ワクワク」を求めているので、そういう世界と技術をうみだしたメリエスをあいしたい。
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