こーべい

カクテルのこーべいのレビュー・感想・評価

カクテル(1988年製作の映画)
3.8
ブルーの間接照明のバックバーにピンクのネオン管で『Cocktail』のロゴ。
ここのところ80’s風のビジュアルのものに目がない。街を歩いていても無意識に目を留めてしまう。なぜだろう。
底抜けの明るさを感じるからかなあ。社会全体がもっと楽しく、前へ、前へ、という空気に満たされていたからなんだろうなあ。

ということでTSUTAYAでパッケージに目が止まり手にとってしまった。昔観たけど再鑑賞。

兵役を終え、ビジネスででっかい夢を叶えようとNYへ意気込んでやってきた若者フラナガン(トム・クルーズ)。アルバイトではじめたバーテンダーの仕事とビジネススクールの両立をめざすも、しだいに学業はおろそかに。一方のバーの仕事は天性のサービス精神と甘いマスクで一躍人気者に。
夜の世界にもまれながら夢と恋と金のはざまで揺れ動くフラナガンの青春物語。

フラナガンのようにバイトではじめたバーテンダー(夜)の世界にのめり込んだ人ってどの国でもいつの時代でもいるんだなあ。私が大学生の時もまったく同じコースを歩んだ人間がやはりいた。案の定学校に来なくなっていた。彼はいまどうしているのだろう。

「夢を追いかける貧乏」vs「愛や夢を捨てた金持ち」
という二元論のような選択が随所であるんだけど、この感覚もなんだか80’sぽいなあと思った。
根底に「明日は今日より豊かになる」という前提があるからこういう選択を語って楽しんでたんだろうなあと思った。(こんなテーマは今は流行らない気がする。)
今の日本の若者はどちらでも冷めた目でみそうな気がする。「安定」とか選ぶのかもしれない。

※さも80'sこそわが青春のような書き方をしてますが、私の青春時代は90'sです。アイデンティティに関わる問題なので注記しておきます笑