素晴しき男性の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

エンタメの名手井上梅次監督の、オリジナルのバックステージ物ミュージカルとしてはかなりの力作。北原三枝の妄想癖気味の夢や石原裕次郎振付の幽霊の恋を、スクリーン一杯の華麗なショー構成は見事だったし、月丘夢路が不毛の結婚を、分身の悪魔と格闘するダンスシーンも冴えている。北原、月丘共に、日劇、宝塚で鍛えた技が生かされている。一抹の不満を申せば、本編ストーリーがもう少しシンプルだったらと惜しまれる。