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トリコロール/白の愛のKのレビュー・感想・評価

トリコロール/白の愛(1994年製作の映画)
4.3
優しくないカウリスマキだった。EDのせいで奥さんに捨てられちったわ金も無えしなんか急に話しかけてきた見るからにヤバそうなおっさんの口車にまんまと乗って人生終わらせたいやつの下手人に報酬目当てでなったるでおい、っていう筋書きがまずやられ尽くしてる感はあるけどやっぱり面白いし、重苦しさの中に可笑しさが詰まっていてかわいい。おっさん二人で雪の上すべって倒れながら笑い合うところとか普通に青春で微笑ましさしかない。何やってんだ、何が起きてんだ、何見せられてんだ、どうしてこうなった、と思いつつもニコニコしてしまう。トリコロールの白が表す「平等」を描くにあたってこんな話を用意するセンスに改めて軽く正気を疑う。奥さんに対する主人公の感情はきっと「愛」が一番似つかわしいんだろうけど多分完全にぴったりな言葉は存在しないやつだと思う。だから白の愛なのか、青でも赤でも無くて。
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