🦢何故か中古DVDで売られてて思わず購入してしまった、アレクサンドル・ソクーロフ監督による映像詩。一応ドキュメンタリー映画という事にはなっているが…❓
彼なりの「日本への郷愁」がぼんやりした霧のかかった映像美で紡がれる。ほぼ難解な朗読と抽象的なショットの連なりがあるだけ。つげ義春の漫画(『ゲンセンカン主人』)等にも通じる、好きな人であればとことんハマる世界観。如何にも東洋的で寡黙な作風。さながら43分間の魔法である。🍵
あのタルコフスキーやアンゲロプロス以上に物語の輪郭がクッキリしない作風なので、設定主義・ストーリー主義のハリウッド映画が嫌いな人であれば気に入る作品かと思う。最終的に戦争の傷痕が語られる辺りはロシア人ならではの視点。
異邦人ソクーロフによる「戦後取り残された孤独な日本人への追悼の意を込めて…」といった慎ましい内容。極めて内省的でシュールな作風ながら、孤独な人々への眼差しが素晴らしい誠実なドキュメンタリー映画であると思う。一見に値する良い映画。🍵