このレビューはネタバレを含みます
木の葉のように旅をする
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📍あらすじ
少女とその弟は名前も顔も知らない父親を探して金も持たずに列車に飛び乗った。アテネからドイツへの距離がどれほどかも知らず。
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興味本位で現在のアテネからベルリン(目的地と仮定して)の距離を調べた。
2,168km
徒歩:20日8時間
汽車:2日
飛行機:3時間
車:23時間
映画好きの母に長年おすすめされていました。
ようやく感想を伝えられるという安堵の気持ちと達成感に満たされた。
雪だ❄️
静止した大人たち。
凍てつく時間の中でも子供たちだけは逃げ出せる。
感覚が研ぎ澄まされる。
出会った人、起きた事。
意味を考えるのではなく感じる映画。
気取ったアート作品でもなく、小難しい哲学もない。
国家の情勢とか歴史的背景もありましたが、『自分には早いかな?』なんて思わず心のままに鑑賞できた。教養がなくても作品は観客を選ばないんだから。
物語よりも音楽に泣かされた。
撮影のために馬を虐待してないよね?
まさかね。
劇団、純潔、バイク…
大切なものが失われてゆく。
かわりに何を手に入れたのだろう。
2人を拾った旅芸人のお兄さん、素敵です。
弟に仕事をさせた店主さん、真っ当です。
2人を拾ったトラックの運転手さん、最低です。
思いとどまった軍人さん、立派です。
お兄さんにお姉ちゃんは淡い気持ちを抱いていた。でもお兄さんは…それを察したお姉ちゃん😭
目的はあるのに明確な行き先のない旅は虚しい。
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監督のインタビューより
おとぎ話として自身の子供のために作った。
有名なおとぎ話を知らなかったから自分で作る必要があった。ある時、新聞に行方不明の子供の記事が出た。それが映画の出発点だった。そこにおとぎ話を加えた。この映画は奇跡の話だ。奇跡の誕生を探し求める映画だ。どうやって映画に?詩的な言語だけが映画になし得る。だからこの映画は長い詩になった。危険も大きい。日常会話に詩を放り込むのだから。ここだという時にこれだという詩を選べばそれはもう素晴らしい結果が得られる。だから「霧の中の風景」は奇跡を提示しようとした映画だ。偉大な詩はそれ自体が奇跡だ。
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残酷な物語だったけどおとぎ話っていうのもよくわかる。「マッチ売りの少女」なんて女の子になんの落ち度もないのに残酷だもの。
2025年おうち鑑賞No.49
1月No.49